【コラム】上手な債務整理5 ~債務整理の現場から~

2015-07-10

第5回 債務の消滅時効とブラックリスト

 

 様々な事情で返済しきれない債務(借金)を負担してしまった方に、少しでも上手に債務整理をしていただくためのコラム第5回です。

  第5回目は債務の消滅時効とブラックリストについてお話いたします。

  現在信用情報機関は銀行系のKSC、クレジット及び信販系のCIC、サラ金計のJICCの3社があります。

そして消滅時効の取扱いは統一されておらず、それぞれの個人信用情報機関によってまちまちです。

消滅時効の効果の一つに「遡及効」と呼ばれるものがあります。これはどういうものかと言えば、消滅時効が完成するとその効果は債務発生時点に遡り、債務そのものが存在しなかったことになるというものです。

本来であれば債務そのものが無かったことになる以上は、当然に信用情報機関のネガティブ情報も抹消されてしかるべきですがこの取扱いが信用情報機関3社で違うのです。

サラ金系のJICCの場合には、この遡及効の効果に従ってネガティブ情報の全てが即時に抹消される取扱いになっています。

 一方クレジット系のCICの場合には、遡及効の法的効果により債務は完済扱いとはなるものの、それまでの延滞情報などのネガティブ情報については事実関係として、消滅時効により債務が消滅してから5年間は掲載する取扱いになっています。

銀行系のKSCも基本的にはCICと同様の取扱いになってはおりますが、CICよりは柔軟な対応で異議申立てなどがあれば個別に判断するとなっています。

せっかく消滅時効が完成してもその後5年間もブラックリストから消されないのでは、喜びも半減ですよね。

  今現在、当事務所はCIC及びKSCとこの問題について交渉中でありまして、場合によっては対応が変わる可能性もあります。

  消滅時効の完成から5年間経たないとブラックリストからの解放はありません。もしも時効が完成しているなら一刻も早く時効の援用をしてブラックリストとおさらばしましょう!

 

《上手な債務整理の基礎知識》

債務の時効が完成したらすぐに時効の援用を!

Copyright(c) 2015 アトラス総合法律事務所_債務整理 All Rights Reserved.