【ブログ】自己破産と個人再生3 免責不許可事由

2016-08-02

 皆さん,こんにちは。アトラス総合法律事務所の山本です。

 東京は梅雨が明けて,いよいよ夏本番ですね。夏になると,なぜか,白地に青の水玉模様でお馴染みの水で薄めて飲むあの乳酸菌飲料が無性に飲みたくなります。てか,ほぼ毎日家で飲んでいます。

 さて,前回は,「免責手続」について説明しました。そこで,今回は,免責手続においてもっとも注意しなければならない,「免責不許可事由」について説明したいと思います。

 では,根拠条文である破産法252条1項を見てみましょう。といっても,免責不許可事由は,同条同項1号~11号まであるため,今回のブログですべて説明することはできません。そこで,今回は,4号の「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと。」にしぼって説明します。

 まずは,「浪費によって過大な債務を負担した」についてです。

 私が調べた裁判例(東京高決平成16年2月9日判タ1160号296頁)では,浪費に該当することを「地位・職業・収入及び財産状態に比して通常の程度を超えた支出をした」や「前後の思慮なく財産を蕩尽した」と表現していました。そうすると,浪費にあたるか否かは,一律に決まるものではなく,破産者の具体的な地位・職業・収入・財産状況と支出を総合的に判断して決まることになります。 

 次は,「賭博その他の射幸行為によって過大な債務を負担した」についてです。

 裁判例(東京高決昭和61年5月28日東高民37巻4≂5号35頁や東京高決昭和60年11月28日判タ595号91頁等)を調べてみると,裁判所は,賭博その他の射幸行為によって過大な債務を負担したか否かを,「賭博が破産に至った根本原因なのか,それとも債務を負担することになった一つの遠因に過ぎないのか」という基準で判断しているようです。

 債務を負担した主要な原因がギャンブルというような場合には,4号に該当するということですね。

 以上,免責不許可事由の「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ,又は過大な債務を負担したこと。」(破産法252条1項4号)の説明でした。

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