ブラックリストについて

よくいわれる話ですが、そもそもブラックリストというリストが存在するわけではありません。

では何かと言えば、銀行、クレジット会社、消費者金融などの金融機関が、与信の審査のために利用している信用情報機関のデータベースに、延滞や自己破産などのネガティブ情報が登録された状態を指します。

クレジットカードを作ったり、ローンを組んだりすると、顧客情報や契約内容、金額などが信用情報機関に登録されます。

そして一定期間の延滞や、自己破産などの、いわゆる金融事故があると、その情報もまた信用情報機関に異動情報として登録されることとなり、この異動情報が登録されると、その後はほとんどの金融機関の与信審査に通ることは不可能となります。

この状態を指して、一般的にブラックリストに載ったと呼んでいるわけです。

またどれぐらいの期間延滞すると異動に該当するかというと、下記のCICでは61日以上の延滞で異動情報としています。

信用情報機関の種類としては、主に銀行が加盟している全国銀行個人信用情報センター(KSC)、クレジット、信販会社が加盟している株式会社シー・アイ・シー(CIC)、消費者金融などが加盟している株式会社日本信用情報機構(JICC)の3社があります。

全国銀行個人信用情報センター(KSC)

株式会社シー・アイ・シー(CIC) 

株式会社日本信用情報機構(JICC)

では、この異動情報はどの程度の期間で抹消されるかというと、CICでは取引終了または延滞解消後5年を超えない期間、JICCでは、延滞については延滞解消後1年間、債務整理(破産、個人再生を含む)、強制執行、保証履行(代位弁済)については当該事実の発生日から5年間、KSCでは延滞、代位弁済、強制回収(強制執行等)については契約終了日から5年を超えない期間、破産や個人再生などのいわゆる官報情報については、破産開始決定の日から10年を超えない期間となっています。

CICとJICCでは破産や個人再生などの官報情報であっても5年間ですが、KSCだけは10年間抹消されません。

注意すべき点は、3社とも延滞が継続している限り永遠に抹消されることは無いという点です。

しかしこれは、返済しない限りは抹消されないということではなく、信用情報機関に異動情報を登録した金融機関の取引が終了すれば、上記の一定期間後には抹消されるということです。
取引終了事由としては、代位弁済、法定免責、貸倒れなどがあります。
 

情報交流(CRIN)について

KSC、CIC、JICCの3社は、相互に情報交流をしています。
そしてそれぞれの信用情報機関の加盟各社はこのシステムを通じて、延滞や代位弁済、本人申告情報の一部を相互に利用することが出来るようになっています。

よくこのCRINによって全ての情報が共有されていると勘違いしている方がいらっしゃいますが、これは間違いで、今現在CRINでは、破産や個人再生などの官報情報は共有されていません。

CICとJICCではそもそも官報情報を収集していません。
 

信用情報における過払い請求の取扱い

以前は、過払い請求をすると、「契約見直し(コード71)」という情報が信用情報に登録され、以後の借入が難しくなるということがありましたが、「契約見直し」情報の登録は、金融庁の通達で2010年4月19日に廃止されました。

そしてすでに登録済みの「契約見直し」情報についても削除されています。

ただしこれは、債務が完済された状態で過払い請求をした場合の話です。
債務が残っている状態で過払い請求をかければ、これは単なる任意整理ということになりますので、この場合には当然に債務整理という異動情報が信用情報に登録されてしまいます。

ただし結果として、残債務を過払い額が上回った場合には、債務整理の登録は抹消されます。

しかし過払いの合意ができて、債務が消滅するまでの間はブラックの状態になりますので、この間に、カードなどの更新時期が来ると、更新が否決される可能性もあるので要注意です。

 

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