Archive for the ‘ブログ’ Category

【お知らせ】2020年夏季休業について

2020-08-04

誠に勝手ながら,当事務所は8月7日(金)~8月13日(木)までを休業とさせていただきます。8月14日(金)より通常通り営業します。
 なおお急ぎの案件につきましては,弊所HP内「お問合せフォーム」より,メールにてご連絡を賜りますようお願いします。確認後,順次適切なご対応をさせていただきます。
 
 ご迷惑をお掛け致しますが,何卒ご了承の程よろしくお願い申し上げます。
  
  
  

【ブログ】法定利率

2020-06-12

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

今回は,新民法の法定利率について説明します。

 

借金をすると,大抵の場合は借りた時より多い金額を返済しなければなりません。何%多くなるかが契約の中で定められていれば,その分だけ増えることになります(いわゆるトイチのように過剰な場合は除きます)。

このように,契約で定められる利率のことを,約定利率といいます。

 

他方,法令の中にも利率を定める規定があります。この利率を法定利率といいます。

約定利率が定められていない場合には,法定利率が適用されることになります。

 

令和2年3月までは,基本的な法定利率は年5%(旧民法404条),商業に関しては年6%(旧商法514条)と定められていました。

しかし,経済の状況が変わっても利率が変わらないのでは,支払金額が過大になったり,過少になったりと,実情に合わないという批判がありました。

 

そこで,令和2年4月からは,3年を1期として,1期毎に法定利率を変更するという変動制が採用されました(新民法404条)。支払の遅れについて法定利率が適用される場合,最初に遅れが発生した時点の法定利率に従うことになります(新民法419条1項)。

また,旧商法514条は削除され,商業に関するか否かを問わず,同じ法定利率が適用されることになりました。

 

令和2年4月から3年間の法定利率は,年3%です(新民法404条2項)。その後は,当期(今現在の期)と,法定利率に変更があった直近の期とで,それぞれの過去6年間における銀行の短期貸付けの約定利率を比較し,その差に応じて,法定利率が見直されます(新民法404条3項~5項)。

 

 

【ブログ】自己破産の流れ⑧

2019-09-17

こんにちは。東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。

今回も,資産の調査の続きということで,破産手続と自動車との関係について見ていきましょう。

 前回までの考え方と同様,自動車も20万円以上の価値があると,原則として,破産手続上,資産と評価されますので,換価対象となります。20万円以上の価値があるか否かは,たとえば,複数の中古自動車販売店へ車を持ち込んで査定をとってもらい,客観的な自動車の市場価値を明らかにします。

 ここで注意が必要なのが,自動車に所有権留保が付いているかどうかという点です。この自動車の所有権留保とは,簡単に説明すると,自動車販売店に対して信販会社が自動車の代金を立替払し,ユーザーは立替払してもらった代金を信販会社に毎月分割で返済し,自動車の所有権はユーザーの返済が終わるまで信販会社に留保されるという内容の契約のことをいいます。この場合,ユーザーが信販会社へ返済を終えるまでは,自動車の所有権は信販会社に留保されるため,自動車はユーザーのものではありません。車検証をみると,所有者欄には信販会社名が,使用者欄にはユーザー名が記載されていると思います。この場合には,自動車は破産者の資産ではありませんので,破産手続上は換価の必要はありませんが,自動車は信販会社の所有物なので,信販会社に返すことになるため,いずれにせよ自動車は手放す必要があります。

 次回に続く…

  

  

【ブログ】自己破産の流れ⑦

2019-09-11

 こんにちは。東京都千代田区,神田にあるアトラス総合法律事務所の山本です。

今回も,資産の調査の続きをお話してみますね。

 破産手続は,資産(原則として20万円以上の価値を有するもの。)があれば,これをお金に換えて,債権者に平等に配当する手続きです。今回は,この資産と「保険契約」との関係を見ていきましょう。

たとえば,依頼者の方が保険を契約している場合が多くあります。保険には,生命保険や医療保険,子どもの学資保険等様々な保険があります。これら保険には,解約した場合に今まで払い込んだ保険料の一部が戻ってくるという内容の「解約返戻金」制度がついているものがあります。この場合,仮に,いまこの保険を解約したと仮定して,解約返戻金の額が20万円以上発生することになると,裁判所としては,保険を解約すれば20万円以上お金が手もとに入ると考えるので,破産手続上この解約返戻金は資産という扱いになります。したがって,保険を契約しているか否か,契約している場合に解約返戻金が有るか否かという点は,重要な確認事項となります。もっとも,場合によっては,裁判所や破産管財人と協議の上,破産者の方の今後の生活を考えて保険を解約しない方法をとることも考えられます。

 次回に続く…。

   

   

【ブログ】自己破産の流れ➅

2019-08-19

 こんにちは。東京都千代田区,神田にあるアトラス総合法律事務所の山本です。

 先日は,自己破産手続を弁護士に依頼した場合について,債権調査,資産調査,免責不許可事由の確認等の流れをお話ししました。今回はその詳細についてお話してみます。

 弁護士は,債権(依頼者から見れば債務)の調査を行いながら,同時並行で,依頼者の資産状況を明らかにするため,依頼者から資産に関する資料を収集していきます。例えば,依頼者がもっているすべての銀行口座(ゆうちょもJAも信金もネット銀行も外国の銀行も株式口座も全てです。普通口座,定期口座,総合口座,当座も全てです。)の通帳を提出してもらい,過去2年間の履歴を一つずつチェックしていきます。残高がいくらあるのか,お金を移動して隠していないか等についてはもちろんのこと,債権者に漏れが無いか,浪費やギャンブルにあたるような支出が無いか,給料日は毎月何日でその給料は今までどのように使われていたのか等について,入念に確認し,気になる点を依頼者に1つずつ質問をしていきます。

 次回に続く…。

  

  

【ブログ】自己破産の流れ⑤

2019-07-29

 こんにちは。東京都千代田区,神田にあるアトラス総合法律事務所の山本です。

 先日は,自己破産手続を弁護士に依頼した場合について,受任通知を送るまでの流れをお話ししました。今回はその後の流れについてお話してみます。

 受任通知を送った弁護士は,依頼者の資産状況の調査・確認を行い,また,債権者と債権額の調査・特定を行っていきます。また,これと併せて,免責不許可事由に該当する事実が無いかどうかを依頼者に確認していきます。免責不許可事由とは,破産法252条1項各号に定められており,例えば債権者の配当に回らないように財産を隠したりすること(1号)等の事由をいいます。そして,これらの調査や依頼者への確認をもとに,裁判所に提出する申立書(破産手続開始申立書及び免責許可申立書)を作成していきます。

 次回に続く…。

  

  

 

【ブログ】自己破産の流れ④

2019-06-24

 こんにちは,東京神田の法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。

 先日は,自己破産手続の始まりから終わりまで,おおまかな流れを簡単に説明しました。そこで,今回は少し細かく,法律事務所に破産手続を依頼したあと,どのような流れで手続きが進んでいくのかについてお話してみます。

 まず,依頼者から申告があった債権者の方々に,「受任通知」という書面を送付します。この書面には,①依頼者から代理人弁護士として選任されたこと,②依頼者が破産手続の準備に入ったこと,③正確な債権額や債権の種類を教えていただきたいということ,④今後は依頼者本人や関係各所へのご連絡は避けていただくこと等が記載されています。

 この通知を債権者に発送することにより,債権者から依頼者への連絡(返済の督促)はなくなります。また,この受任通知には,債権者全員に対して,依頼者はもはや自力での返済ができませんということをお知らせする意味もありますので,依頼者は,毎月の返済から暫定的に解放されることになります。

 その後,弁護士は,依頼者の資産状況の確認と債権者及び債権額の確認,さらに免責不許可事由の有無を確認し,裁判所に提出する申立書を作成していきます。

 次回に続く…

 

 

【ブログ】自己破産の流れ③ 弊所からのメッセージ

2019-05-22

 こんにちは,東京神田の法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。

 前回は,自己破産手続のおおまかな流れについて書きました。今回はコーヒーブレイクということで,弊所から借金問題でお困りの方へのメッセージをお伝えします。

 借金について見ず知らずの他人に相談することは,その他人が弁護士という専門家であったとしても,とても勇気がいることだと思います。自分の経済状況や生活状況を全てさらけ出すわけですから。様々な感情も湧いてくると思います。

 でも,是非一度立ち止まって考えてみてください。毎月の返済が多すぎて,返済日が来るたびに返済の心配をしながら生活を続けていくのか,それとも破産手続に代表される法的整理手続を行って借金の返済から解放された生活を送るのか。

 日本の法律(破産法や民事再生法)は,一度借金で失敗してしまった人に,破産手続や個人再生手続等の法的整理手続を用意して,その人の経済的な更生を助ける方法を用意しています。弊所弁護士へご相談されることにより,今まで思っていた破産手続に対する印象が変わるかもしれません。

 もうこれ以上返済を続けることができない状態になっているのであれば,すぐに弊所弁護士へご相談ください。

 

 

【ブログ】自己破産の流れ②(総論)

2019-04-09

 こんにちは,東京神田の法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。

先日は,自己破産手続の簡単な説明をしましたが,今回は,実際に自己破産手続がどのように進んでいくのかという点について書いてみます。弊所は,東京の神田にある法律事務所なので,東京地方裁判所(東京地裁)の破産手続の流れについて説明しますね。

 まず,弁護士が破産手続開始申立書及び免責許可申立書一式(まとめて「申立書」といいます。)を作成し,東京地方裁判所民事第20部の窓口に提出します。申立書のチェックが終わると,裁判官と弁護士との面接(いわゆる破産審問の簡易版。「即日面接」といわれています。)を経て,少額管財手続で進むのか,あるいは同時廃止手続で進むのかが決まります。少額管財手続と同時廃止手続については,回を改めて説明しますね。

 申立書の提出及び即日面接が終わってから約1週間後に,裁判所から破産手続開始決定が出されます。ここから債務者は「破産者」という破産法上の地位に立ちます。

 同時廃止手続であれば,破産管財人は選任されないため,破産者と代理人弁護士は,開始決定から約2ヶ月から3ヶ月後に行われる免責審尋という裁判所の期日に出席します。免責審尋の約1週間後に免責許可決定が出され,その後決定が確定すれば,手続きはすべて終了です。「破産者」という破産法上の地位はなくなります。

少額管財事件では,原則として開始決定が出るまでの間に破産者・弁護士・裁判所から選任された破産管財人の三者で面談を行います。そして,開始決定から約2ヶ月から3ヶ月後に行われる債権者集会兼免責審尋という裁判所の期日に出席します。問題が無ければこの期日の約1週間後に免責許可決定が出され,その後決定が確定すれば,手続きはすべて終了です。「破産者」という破産法上の地位はなくなります。

次回へ続く…

 

 

【ブログ】自己破産の流れ①

2019-04-01

【借金と自己破産】

 こんにちは,東京千代田区神田の法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。

 簡単に説明すると,自己破産とは,債務者(借金をしている人)が,もうこれ以上返済を続けることができない状態になった時に,裁判所に対して,「今ある自分の資産」と「借入先全員の名前・住所等と借金額」を申告して(これを自己破産の申立といいます。),自分の資産をお金に換えて借入先全員に債権額に応じて配当する手続のことをいいます。会社ではなく個人が破産する場合,めぼしい資産がない場合が多いため,ほとんど配当は行われません。

 あれ,そうすると,自己破産をしても借金は残ったままですよね。でも,よくインターネットなどでは,自己破産をすると借金が消えるという話を聞きますよね。

 実は,この借金が消えるという効果は,破産手続と一緒に申し立てている「免責許可手続」による効果です。免責許可手続とは,これも簡単に説明すると,免責不許可事由と呼ばれる不誠実な事情が無い限り,借金を消してあげましょう(返済する「責」任を「免」じる=免責)という手続きのことをいいます。

 借金の返済で,もうどうにもならない状態になってしまった人は,弁護士がその人の代理人となって,裁判所に対し破産手続と免責許可手続の申立を行い,これが認められることによって,借金の返済から解放された新しい生活を送ることが可能となります。

 是非,弁護士にご相談ください。

 

 

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