【ブログ】保証債務と連帯保証債務の違い
こんにちは,東京都千代田区神田の法律事務所,アトラス総合法律事務所の関根です。
今回は保証債務と連帯保証債務の違いをご説明したいと思います。
保証債務と連帯保証債務の違い
⑴お金を借りる時の法律関係
Aさんが、銀行からお金を借りたというケースを想定しましょう。
このとき、Aさんは「お金を返すこと」を、契約として、約束することになります。この約束によって、相手に対して義務を負うことを、債務を負うといいます。
すなわち、Aさんは銀行に対し、「お金を返す債務」を負ったということができます。
⑵保証債務とは
住宅ローンのように多額のお金の貸し借りの際に行われるのが保証契約です。一般に、「保証人を立てる」というような言い方がされています。
保証契約とは、ある契約にしたがって生じた債務を担保するために結ばれるものであるのですが、それ自体も一つの契約ということができ、保証人も保証債務という債務を負うこととなります。そして、一般的な保証契約を締結した保証人が負う債務とは、「ある契約の債務を負う者(債務者といいます)が、これを怠った場合には、私が代わりに、その義務を果たします」というものです。
Aさんの保証人としてBさんがいた場合、Aさんが銀行にお金を支払うことができなくなった場合に、Bさんが代わりにこのお金を支払わなくてはならないこととなります。
⑶連帯保証とは
このとき注意しなくてはならないのが、「連帯」保証契約と、通常の保証契約は大きく異なるということです。
保証人は「債務者が債務を怠った場合に」代わりに義務を果たす者と説明しましたが、一般的な連帯保証の場合、「債務者と一緒に義務を果たします」という債務を負うことになります。
Bさんの保証契約の内容が連帯保証である場合、銀行はAさんがきちんとお金を返せる状態にあるとしても、Bさんに支払いを請求することができ、Bさんはこれを拒めません。
一般的に、住宅ローンや自動車ローンの場合には、連帯保証契約が行われることが多いと思います。これは、連帯保証の方が、お金を貸す側にとって、最初から2人同時にお金を支払ってもらえる権利がある等の点で、有利な契約内容となっているからです。
⑷まとめ
保証契約は、お金を貸す側にとっては非常に便利なものですが、借りる側・保証人側にとっては、非常に厄介な契約です。そして、契約である以上、これを怠れば、裁判等に巻き込まれる恐れがあります。
保証人となる際には、慎重に検討を行ってください。
身に覚えのない保証契約や、保証人となったのはよいが、実際にお金を支払えない場合などは、是非、弁護士まで相談ください。