【ブログ】法定利率

2020-06-12

東京都千代田区神田にあるアトラス総合法律事務所の管野です。

今回は,新民法の法定利率について説明します。

 

借金をすると,大抵の場合は借りた時より多い金額を返済しなければなりません。何%多くなるかが契約の中で定められていれば,その分だけ増えることになります(いわゆるトイチのように過剰な場合は除きます)。

このように,契約で定められる利率のことを,約定利率といいます。

 

他方,法令の中にも利率を定める規定があります。この利率を法定利率といいます。

約定利率が定められていない場合には,法定利率が適用されることになります。

 

令和2年3月までは,基本的な法定利率は年5%(旧民法404条),商業に関しては年6%(旧商法514条)と定められていました。

しかし,経済の状況が変わっても利率が変わらないのでは,支払金額が過大になったり,過少になったりと,実情に合わないという批判がありました。

 

そこで,令和2年4月からは,3年を1期として,1期毎に法定利率を変更するという変動制が採用されました(新民法404条)。支払の遅れについて法定利率が適用される場合,最初に遅れが発生した時点の法定利率に従うことになります(新民法419条1項)。

また,旧商法514条は削除され,商業に関するか否かを問わず,同じ法定利率が適用されることになりました。

 

令和2年4月から3年間の法定利率は,年3%です(新民法404条2項)。その後は,当期(今現在の期)と,法定利率に変更があった直近の期とで,それぞれの過去6年間における銀行の短期貸付けの約定利率を比較し,その差に応じて,法定利率が見直されます(新民法404条3項~5項)。

 

 

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