【ブログ】自己破産と個人再生4 破産管財人
皆さん,こんにちは。アトラス総合法律事務所の山本です。
私は,今年の3月に都内のロースクールを卒業して5月に司法試験を受験し,現在に至ります。この間に自分が得たものは沢山あります。たとえば,法律の知識はもちろんですが,一生の付き合いになるであろう学友や,近くで支えてくれた人の優しさ。
でも,君だけは余計だったな~。そう,君の名前は,「体脂肪」。
ということで,最近,近所を走ってダイエットしてま~す。
さて,今回は,破産管財人について書いてみます。
破産法2条12項では,「「破産管財人」とは,破産手続において,破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利を有する者をいう。」と規定しています。
つまり,破産管財人とは,裁判所から選任されて,債権者へお金を配当するために破産者(債務者)の財産を整理したり,破産者(債務者)に免責不許可事由がないか否かをチェックしたりする人のことをいいます。申立代理人とは別の,中立な立場の弁護士が選任されます。
そして,破産法78条1項は,「破産手続開始の決定があった場合には,破産財団に属する財産の管理及び処分をする権利は,裁判所が選任した破産管財人に専属する。」と規定しています。たとえば,破産者(債務者)が,破産手続開始決定時に,20万円(東京地裁の運用)を超えるような価値の自動車を所有していたとします。この場合には,その車の管理・処分権限は,破産管財人に移ることになります。したがって,破産者は,自動車を自由に使ったり,ましてや勝手に売却したりすることはできなくなります。
また,破産手続開始決定後は,破産者(債務者)宛ての郵便物は,破産管財人の下へ転送されることになります(破産法81条1項。東京地裁では,全件について転送の嘱託がなされる。)。これにより,破産管財人は,破産者が財産を隠していないか,債権者に漏れがないか,免責不許可事由がないか等を調査していくことになります。
次回へ続く…