住宅ローンの返済にお困りの方

大切なマイホームを守る方法

突然のリストラや病気で収入が減り、住宅ローンが払えなくなった場合の正しい対処方法を解説します。

一番重要なことは、できる限り早い段階で、弁護士などの専門家に相談することです。
早い段階ならば、金融機関も協力的ですし、可能な対策や選択肢もたくさんあります。

時間の経過によって選択肢はどんどん減っていき、逆に債務は遅延損害金などで膨らんでいきます。
 

1、 まずは金融機関(住宅ローンの借入先)にリスケジュールの相談をします

収入減が一時的なものであれば下記のような対策を取ることができます

① しばらくの間、利息だけを支払い元金を据え置いてもらう。
② 返済期間を延長して、月々の支払額を減らしてもらう。
③ 貯蓄を崩したり生命保険などを解約して繰り上げ返済をし、月々の返済額を減らす。
 

2、 個人再生を検討

リスケジュールをしても返済が厳しい場合で、もしも住宅ローン以外の債務が原因となっているような場合には、「個人再生」を検討します。「個人再生」とは、住宅ローンはそのままで住宅ローン以外の債務を最大90パーセント減額し、残りを3年の分割で支払って行くという法的救済策です。

住宅ローン以外の債務が原因の場合、この方法を取ることにより、ほぼ解決できるはずです。
 

3、 自宅を一旦親族などに買ってもらう

そもそも住宅ローンそのものが過重であり、上記二つの方法によっても支払いが困難な場合には、最後の手段として、ご自宅を親族などに一旦買ってもらって、家賃を支払って住ませてもらうように交渉します。

ただしこの場合でも、わが国の住宅ローン制度の特徴で、ほとんどの場合に住宅ローンの残高が、住宅の売却価格を上回っていますので、住宅売却後に残った債務を法的な手段によって整理しない限り、家賃との2重払いになってしまいます。

 
いずれの方法を取るにしても、それぞれにタイムリミットがあります。
限られた期間の中で、まさに時間との戦いです。

迷っている暇はありません、一刻も早く弁護士などの専門家に取りあえず相談してみてください。
 

住宅ローン滞納~競売終了までの流れ

競売予告通知

「このまま支払いがなければ、最終的には競売になりますので、速やかにお支払ください」という内容の通知がきます。

通常は、早急に連絡くださいと書かれていますから、放置することなく必ず連絡して、話し合いに応じることが重要です。
 

代位弁済予告通知(滞納後3~6ヶ月以内に届く)

通常、金融機関で住宅ローンを借りる場合には、住宅ローンの担保として保証会社が保証をしています。

そして支払が不能となれば、保証会社は債務者に代わって、金融機関に残額を一括で支払います。
これが代位弁済と言われるものです。

保証会社に債権が移転されると、保証会社は金融機関ではありませんので、一括で全額を弁済するか、競売しか方法はありません。

この時点が金融機関とのリスケジュール交渉の最終期限です。
絶対に放置することなく、すぐに連絡して話し合いの場を持ってください。
 

期限の利益の喪失通知(滞納後3~6ヶ月後に届く)

期限の利益の喪失とは、分割してローンを支払う利益を喪失して、残額のすべてについて一括で支払わなければならなくなったということです。
言い換えれば、残額すべてに弁済期が来たことを意味します。

これがどういう意味合いを持つかといえば、これまでは分割で滞納した金額に対してだけ、年利14%~15%の遅延損害金が加算され、支払時期が訪れていない残金に対しては、2%程度の通常の金利がかかっているだけでしたが、期限の利益喪失以降は、残金の全額に年利14%~15%の遅延損害金が弁済するまでかかり続けることを意味します。

住宅ローンの残額が仮に2000万円とした場合、これまでは年に40万円の金利で済んでいたものが、年に300万円もの損害金が加算されて行くことになります。
 

代位弁済通知(期限の利益の喪失通知が来てから1月以内に届く)

この時点であなたの住宅ローンの残額は、あなたに代わって保証会社が金融機関に支払っています。
すなわち、債権者が金融機関から保証会社に代わったわけです。
保証会社との任意の交渉の余地はありません。

彼らはこの時点では競売申し立ての準備を粛々と進めているだけです。

そして「個人再生」の申し立ての最終期限は、この代位弁済ののち半年以内となっています。

そして代位弁済があると、団体信用生命保険は解約されますから、あなたに万が一のことがあったとしても、住宅ローンの債務はなくなりません。
 

担保不動産競売開始決定通知(代位弁済通知後1ヶ月から3ヶ月)

裁判所からあなたのご自宅が競売にかかりましたという通知が来ます。
   
いったん競売が開始されてしまうと、債務の全額を弁済するしか競売を中止させる方法はありません。

唯一と言って良い例外は、「個人再生」の申し立てを原因とした、競売の中止申し立てを行うと、競売手続きは停止され、「個人再生」の申し立てが認められ、認可決定がなされると、競売手続きは中止されます。
                   

競売手続きの流れ

担保不動産競売開始決定

競売手続きの流れ

1カ月ほどで裁判所から執行官が不動産鑑定士を伴って、ご自宅の調査にやってきます。
日にちの調整はできますが、拒否はできません。

不在の場合などは、鍵屋を連れてきて強制的に建物に入って調査していきます。

競売手続きの流れ
調査後1カ月から2カ月ほどで、現況調査報告書や評価書などの資料が出来上がります。

そしてこの資料が出来上がると、入札の順番待ちに入ります。

競売手続きの流れ
2カ月ほどで、入札と開札の期日を伝える通知が来ます。

競売手続きの流れ
1カ月から2カ月以内に、入札~開札が行われ、新しい所有者が決定します。

競売手続きの流れ
1カ月から2カ月以内に、新しい所有者から退去の要請をされます、従わない場合には、強制執行の申し立てをされて、強制的に退去させられてしまいます。

 
しかし、これですべて終わったわけではありません。

競売の売却価格が、住宅ローンの残額を下回った場合には、当然に残額の支払い義務が残ります。

保証会社などとの交渉によっては、遅延損害金の発生を止めて、月々の分割返済を認めてくれる場合もありますが、多くの場合、保証会社などは、債権を今度はサービサーと呼ばれる債権回収専門会社に売却します。

結局、法的な手段で債務を整理しない限り、残債務の支払い義務が消えることはありません。

もちろんサービサーと上手な交渉をして、残債務を大幅に圧縮してもらえる場合もありますが、いずれにしても弁護士に相談したほうが良いことだけは確かでしょう。債務からの完全な解放無くして、安心して暮らせる日々は訪れないと思います。

 

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