任意整理をする時の注意事項
1、 成功率の高い法律事務所を選択する
任意整理はあくまで裁判外の任意の和解交渉ですから、交渉を担当する弁護士の経験や、交渉能力によって大きく左右する場合があります。
事務員任せにしているような大手の事務所や、経験の浅い弁護士に丸投げするような事務所は避けるべきです。
2、 公共料金などの引落は大丈夫か
任意整理を行うと、クレジットカードなどは止められてしまいますので、公共料金などの引落がクレジットカードでの引落になっていたりすると、一時的に引落不能となり、不都合なことになります。
あらかじめ引落方法の変更などを忘れないようにする必要があります。
3、 クレジットカードによる分割返済中の購入商品は無いか?
クレジットカードによって購入した商品が分割返済中の場合に、状況によっては購入商品の引上げを行われたりすることがありますので注意が必要です。
4、 クレジットカード会社と自分の取引銀行の関係に注意が必要
任意整理の対象のクレジットカード会社が、あなたが住宅ローンやマイカーローンなどで利用している銀行の保証会社等であった場合、クレジットカード会社は受任通知を受取ると、自己の直接融資分とともに、他社の保証分も検索しますので、あなたの住宅ローンやマイカーローンの保証分もわかります。
そして銀行の保証会社であるクレジットカード会社は銀行に、期限の利益の喪失を原因として一括返済を請求することを促します。
銀行はあなたに一括返済の請求を行うと同時に、あなたの預金口座を凍結してしまいます。
口座が凍結されても入金は出来るため、それが給料口座などであった場合、給料分は即座に銀行に借入金との相殺をされてしまいます。
また住宅ローンなどの場合には、最悪の場合競売などを申立てられて自宅を失うはめにもなりかねません。
十分に注意をする必要があるかと思います。
なおアトラス総合法律事務所では、各クレジットカード会社や信販会社と銀行などの相関関係を十分に把握しております。
またご本人様から十分な聞き取りを行い、万が一にも間違いのないように確認をした上で、受任通知の発送を行っております。
5、 任意整理を行うと信用情報(ブラックリスト)に事故情報が載ります
現在個人信用情報機関には銀行系のKSC、クレジット、信販会社系のCIC、サラ金などが加盟しているJICCという⒊つの個人信用情報機関があります。
そして3社ともに事故情報の抹消は契約終了または完済後5年間を経過した時となっています。
実際の各金融機関の取扱いは統一されているとは言えずに、任意整理による和解契約の成立を、従前の契約の終了と新たな契約の締結と解釈して、信用情報の抹消を和解成立から5年間としているところと、和解契約を従前の契約の支払い条件の変更と解釈して、あくまで信用情報の抹消は完済から5年間としている会社があります。
後者の場合には、任意整理の結果5年間で支払うこととなった場合には、信用情報が抹消されるまでに実に10年もの年月が必要になります。
簡単に言えばその間はクレジットカードは作れませんし、借入などもまず出来ません。
安易な気持ちではなく、十分な覚悟をもって行う必要があります。
また任意整理が終了した場合には、必ずご自身の信用情報の記載を確認したほうが良いです。
稀に誤記載などもありますし、具体的に何年後に自分の信用が回復するかを知っておいたほうが良いからです。
アトラス総合法律事務所では、債務整理終了後に必ず個人信用情報機関3社の信用情報の開示請求を行っています。
6、 連帯保証人の問題は大丈夫か?
整理対象の債務(借金)に連帯保証人がついている場合は大問題です。
任意整理の結果あなたの債務(借金)は大幅に圧縮できたとしても、残念ながらそれは連帯保証人には一切影響はありませんので、任意整理の受任通知が届くと金融機関は即座に連帯保証人に請求をかけます。
そしてそれは当然に分割などではなくて残債務を一括で請求してきます。
もしもそんなことになれば、連帯保証人の方に大変なご迷惑をおかけすることになってしまいます。
任意整理の場合には整理対象とする債務(借金)を自由に選択できますので、このような問題のある債務(借金)に関しては、十分に検討をする必要があります。