【ブログ】破産者マップについて
2019-03-22
こんにちは,東京都千代田区神田にある法律事務所,アトラス総合法律事務所の山本です。
最近,破産した人の情報がネットの地図上に表示されるという問題が世間を騒がせていますね。今日はこの問題に少し触れてみたいと思います。
まず,破産した方の情報は,官報に公告されます。法律上の根拠は,破産法32条1項及び同法10条1項です(破産手続開始決定の公告)。では,なぜ官報公告をする必要性があるのでしょう。ひとつは,破産手続では,破産債権者など多数の利害関係人が関与するため,裁判の告知や書面の送付を速やかに,かつ,経済的に実施する方法をとることが必要であることが挙げられています。例えば,官報公告は,破産手続開始決定に対する即時抗告期間の起算日の基準となっています(破産法33条1項,同法9条,同法10条2項)ので,官報公告を行う必要性が認められます。
このような官報公告の必要性があるとしても,公告された情報を,あえてネットの地図上に表示することにどのような意味があるのでしょうか。「ネット上での公開」という日本中だけではなく全世界に向けられた方法で,しかも,転載やスクショ等により半永久的に記録として残ってしまう結果をもたらす今回の問題について,様々な意見が出ています。皆さんは,どう思われますか。
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